過去の研究 自然科学クサレダマの生活史

  • クサレダマの生活史
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観察から,発芽した実生個体は一年目から匍匐根茎による交代型仮軸分枝によるクローン成長を行い,開花は実生からクローン成長した娘ラメットで翌夏に生じました.花梗や花柄は花序の下部で対生につきますが,上部になるに従い左巻きの螺旋状となる傾向にあり,花弁や萼片においても左巻きの片巻き状で葉序においても左巻きの螺旋葉序と捉えられました.開花は天候に左右されずに生じ,寿命は2 ~ 3日でその間,わずかに花弁の開閉が生じました.花にはミツバチ上科とヒラタアブ亜科が訪れていましたが,行動からミツバチ上科が花粉媒介に関与するものと考えられました.
蒴果は熟すまでに約 3 ヶ月を要し,完熟種子を乾燥下で低温処理を施さず翌春に播種した実験では,短期間のうちに相当数の発芽が生じました.これは,種子が二次休眠に誘導されない状態で越冬し,低温により発芽が抑制されているのだろうと考えられました.

【成果発表】
千葉悟志(2021)クサレダマの生活史 −日本産草本植物の生活史研究プロジェクト報告第12報−.市立大町山岳博物館研究紀要6:17-21.市立大町山岳博物館.

千葉悟志

担当研究者千葉悟志

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