過去の研究 自然科学リュウキンカの生活史および種子散布特性について

  • リュウキンカの生活史および種子散布特性について
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リュウキンカの発芽は,播種した翌春に生じ,成長の早い個体では 2 年目に開花が生じました. 1 個花あたりの開花は約 11 日でした.開花期間中の天候は安定せず,また気温の変動も激しかったですが,花が萎凋することはなく,降雨および降雪により雄しべが濡れても未裂の葯が晴天または曇天時に裂開しました.花は同形花型不和合性で受精するには花粉の媒介が必要で,送受粉はハエ目およびハチ目が担っているものと考えられました.
種子は水散布(二次散布)によって流路にそって運ばれ,実験から長期にわたり浮遊が可能でした.また,種子は水中にあっても生存が可能で嫌気発芽能を持つ可能性が示唆されました.一方,種子の乾燥は発芽能に影響し,結氷する環境下では実生の初期成長に悪影響を及ぼしていて,流水を伴う水辺の環境はリュウキンカの繁殖・成長において最適かつ重要な場所であると考えられました.

千葉 悟志・尾関 雅章・有川 美保子・宮澤 陽美・板橋 和子(2022)リュウキンカの生活史および種子散布特性について―日本産草本植物の生活史研究プロジェクト報告第14報―.市立大町山岳博物館研究紀要7:25-32.

千葉悟志

担当研究者千葉悟志

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