はじめに、お忙しい中、博物館実習生として受け入れていただき、誠にありがとうございました。皆様には大変温かく指導していただいたことに心から感謝しています。
　私は現在大学で日本建築史を学んでおり、研究の一環として文化財を扱うことがあります。そして将来も、文化財などに関わる活動に携わりたいという思いがあり、学芸員資格の取得を目指しました。また、長野県で大学生活を送っていくなかで、信州の大きな魅力の一つである北アルプスなどの山々に惹かれました。そして、山岳についての学びを深めたいと思い、自然豊かな場所に立地し、山岳に関する様々な資料の展示もされている貴館での実習を希望させていただきました。
　今回の実習では、博物館業務の中心となる、調査研究、収集保管、教育普及の三つを軸に貴館の歴史や現在の活動、さらには抱えている問題点など様々なことを教えていただきました。学習に当たっては、スライドや資料を用いた座学から、機材などを使った実践的な演習までさせていただき、六日間とは思えないほどの充実感を得ることができました。具体的には、小学校の敷地内で行う調査や、地域の子どもたちが参加する蝉の抜け殻を見つけるイベントを通して、博物館の活動は地域と密接に関わっており、地域とのつながりが大切であるということがわかりました。ほかにも、標本作製は普段できない貴重な体験でしたし、展示室だけでなく収蔵庫にもあったたくさんの剥製は非常に迫力があって感動しました。
　スポットガイド演習は特に印象に残っており、展示を簡潔にわかりやすくかつ面白く解説することの難しさを知ることができました。また解説を考えるに当たって、その展示専門の職員さんにお時間をとっていただき、一対一で丁寧に解説をしていただく機会がありました。非常に貴重な機会をいただけたことに感謝しています。
　今回の実習を通して、学芸員としての知識を学べたことはもちろん、普段と違う環境で約一週間実習をさせていただけたことは非常に価値があることだと感じており、貴館での経験をこれからの生活や学業に生かしていきたいと思っております。重ね重ねになりますが、貴重なお時間と親切なご指導本当にありがとうございました。