はじめにお忙しい中、博物館実習を実施してくださり、誠にありがとうございました。コロナ禍ということもあり、様々な制限があったかと思いますが、貴重な体験をさせていただけたことに感謝しています。

　私が市立大町山岳博物館を実習先として選んだ理由は地元にある身近な博物館であることと、山と人に関する歴史について展示している博物館だったからです。私の専攻は西洋史なので、実習先は少しでも歴史に関する展示がある博物館が良いと考えており、地元の歴史について展示されている山岳博物館は非常に魅力的でした。

　今回の実習では大学の講義では学べない大切なことを学ばせてもらいました。博物館の軸となる「収集保管」「調査研究」「教育普及」を基本に、座学と実践を交えながらの実習は非常に楽しく、学ぶことも多かったです。野生動物相手の調査は非常に地道で大変な作業なこと、限られた予算の中でどのように資料を保管していくか、来館者に興味を持ってもらえるような解説など、実際に体験してみると学芸員の仕事の多さに驚きました。収蔵庫ではたくさんの剥製や標本、民俗資料を見させていただき、それらをどのように制作して保管するのかのお話がとても興味深かったです。

　また、実習の中で特に嬉しかったことは学芸員の方と直接お話する機会が多かったことです。実習を担当してくださった学芸員の方だけではなく、他の学芸員の方も積極的にコミュニケーションをとってくださり、とても有意義な時間をすごせました。学芸員として大切にしていること、教育普及のコツ、自身の体験談など、非常に役に立つお話を聞くことができました。また、直接学芸員や博物館で働いている方とお話しする中で、学芸員の仕事をとても楽しんでいることがわかりました。学芸員は本来の仕事以外の雑務も多く、大変な仕事だと大学の講義では学びました。しかし、実際に働いている方を見ると生き生きとしており、明るい印象を得ました。そういう点でも実習に参加できてよかったと感じています。

　最後になりますが、市立大町山岳博物館の益々のご発展をお祈りしております。