教育・学習支援F・Kさん

 はじめに、今回博物館実習生として受け入れていただいたことに感謝申し上げます。
 私は大町市の出身で、大学で上京するまで大町市に住んでいました。離れて気づく大町市の魅力は大きく、小さい頃からなじみのあった山岳博物館での実習を希望していました。実際に参加してみると、今回は県内からの実習生が多く、全員が同い年だったこともあり、すぐに打ち解けることができました。また学芸員の方をはじめ、職員の皆さんも親の知り合いが多く、アットホームな空間で実習ができたことに感謝しています。「もるげんろーと」の山内さんには実習後もお世話になりました。
 実習では、「調査研究」「収集保管」「教育普及」「展示手法」を中心に体験を通して学ぶことができました。館内点検・開館準備から始まり、実際に外に出てバードウォッチングをする、植物の標本を作らせてもらうなど普段学芸員の方がしている仕事ができたのは貴重な体験だと感じました。また話を聞くことが中心の実習では、学芸員の方の話し方や視点がとても参考になりました。最終日のスポットガイドが一番体力と気力を使いましたが、学芸員の方を参考にしながら工夫して話ができ、お客さんにも聞いていただけて嬉しかったです。そして、他館の見学ができるのもここでの実習の魅力だと感じました。私は3年生の実習でも複数館を見学していましたが、さらに広い視点で様々な規模、運営形態の館について実情を知ることができました。今回はスケジュールの関係で参加できなかった子供向けイベントもありましたが、地域に還元できるような活動も多く、地方館ならではの地域住民との近い距離感に温かさを感じました。
 特に私は実習生の中でも学芸員の方とお話しする機会が多かったと思いますが、地方館の難しさや行政との関係についても考えさせられる部分もありました。資格はあっても枠がなくて学芸員として働けない人が多いのが現状ですが、大切な資料が多く存在する大町市の魅力を再発見するには、制度の見直しも必要だと感じました。
 山岳博物館の魅力は、何と言っても刻一刻と変わる世界最大の展示、北アルプスだと思いますが、ここを支えている職員の方や地域の人の温かい心を感じることができる素晴らしい場所であることも改めて実感しました。この場所で実習を受けることができて本当に良かったです。この経験を今後の人生に活かしていきたいと思います。お忙しい中、貴重なお時間を頂きまして本当にありがとうございました。


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