教育・学習支援Y・Yさん
拝啓
立秋とはいえ、まだまだ暑さが厳しい日々が続いておりますが、名誉館長鈴木様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたびは、私たち実習生一同に対し、貴博物館での実習の機会をいただき、誠にありがとうございました。地元の博物館で、しかも小学生の頃から親しんでいた場所でこのような貴重な実習を行うことができたことは、私たち一同にとって特別な意味を持つものであり、大変光栄に感じております。
今回の実習では、博物館資料の登録という重要な作業に携わることができ、博物館の運営の一端を実際に体験する貴重な機会となりました。登録作業を通じて、一つ一つの資料が持つ価値や、それを後世に伝えていく責任の重さを改めて感じました。これらの資料が地域の歴史や文化の一部として、大切に保存されていることに深く感銘を受けました。
また、大町山岳博物館が「北アルプスの自然と人」をテーマに、後立山連峰を中心とした展示を行っていることを再認識しました。館内の展示では、登山や山岳文化、そして自然環境保護の重要性が丁寧に紹介されており、私たちも普段見逃しがちな自然とのつながりやその保護の重要性を学びました。特にライチョウの保護活動に関する展示や、付属園での高山植物の保全活動には深く感動いたしました。
さらに、博物館が昭和26年に開館し、70年以上にわたり地域の山岳文化や自然史の伝承と保存に貢献してきたことにも驚きました。その歴史の中で培われた博物館の使命感と地域への愛情を強く感じることができました。
スタッフの皆様からも、多くのことを学ばせていただきました。皆様がそれぞれの分野で専門的な知識と情熱を持って取り組んでおられる姿は、私たちにとって大変刺激的であり、学問に対する姿勢を見直す良い機会となりました。また、地域社会と密接に関わりながら、教育普及活動を進めておられる様子を見て、博物館が単なる展示施設以上の役割を果たしていることを実感いたしました。
今回の実習を通じて得た知識と経験は、私たちにとってかけがえのない財産となり、これからの学びと成長において大きな糧となることを確信しております。貴博物館での経験は、私たちの人生においても忘れがたいものとなるでしょう。
末筆ではございますが、貴博物館の益々のご発展と、名誉館長鈴木様をはじめ、スタッフの皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。改めて、この度のご厚意に深く感謝申し上げます。
敬具