教育・学習支援M・Kさん
小生はすでに高齢者の仲間入りをしております。小生が学芸員の資格を目指したのは、江戸時代、旧松本藩領(松本・安曇野・大町など)に残る主に山岳や林業関係の文書の読解などを主に、これらを整理することで地域に貢献できたらとずっと考えてきたからです。当時の文書を損なうことなく扱うには専門的な配慮が不可欠で、またこれらは博物館や文書館、歴史館が保存している物も多く、扱いには学芸員の専門的な取り扱いノウハウが不可欠であると確信しておりました。それで資格獲得の機会を模索していたのですが、この3月に必要な学芸員資格の取得に必要な単位をクリアできましたので、あとは博物館実習を受けるのみとなりました。ではどの博物館で実習を行うか、山岳博物館に申し込む、これには迷いはありませんでした。前記したように小生の関心の中心が山岳や林業史そこでの生活にあったことはもとよりですが、そこに棲息する動植物にも関心がありました。(以前、燕岳に登った時にライチョウとコマクサにも対面しています。)ライチョウにも対面できるからです。それに募集の文書にこうありました。「学芸員職への就職を希望する方、学芸員という職業に興味のある方及び博物館のテーマとする「山と自然の歴史」に興味のある方」とあります。これらすべて私にピッタリです。(年齢的に就職希望はチト難しいかも。)
このような経緯でいよいよ実習に臨みました。若い人たちに交じってなんとか6日間すべての実習メニューをクリアできたことは僥倖と申せましょう。これも偏に名誉館長様はじめ御親切に実習生担当にあたられた学芸員氏、各分野を懇切に指導くださった学芸員諸氏、職員の方々のお蔭と感謝いたしております。この実習を通して博物館の見えない部分、舞台裏を拝見することができました。学芸員の方々の広範囲で超多忙の職務、その合間をぬっての現地調査や研究活動、イベント活動の企画や指導、書類等の作成などなど、目の回るような日常に感動すら覚えました。それに山博は幅広い守備範囲を持っています。地質・動植物・生態系などの自然史系と歴史・民俗・山岳文化・登山史といった人文系、それだけではなくライチョウやカモシカ、希少植物の飼育・増殖などを担当している附属園の存在など、このような中に博物館実習を受け入れていただき、誠に感謝に絶えない次第であります。このようなご厚意に応えるため、博物館実習の成果を無駄にすることなく、実習で得たものを生かしていきたいと考えています。本当にありがとうございました。