専門員(自然科学)竹村健一のプロフィール

竹村健一

2023(令和5)年度から地質担当の専門員として勤務しています。それまでは、南信州の高校で理科の教員として30年以上勤務してきました。大学は地質関係の学科に入学し、御嶽火山の地層(火山灰)について研究しました。1、2年生のころに有名な「大町ローム層」(数十万年前~数万年前に堆積した火山灰層)や「木崎流紋岩」(1億年以上前)などの地質見学に連れてきてもらった覚えがあります。久しぶりに現地を訪れて、おぼろげな記憶をたどりながら感慨に浸ったりしています。前職中は、あまり地質を専門とする仕事や勉強はしてきませんでしたので、大町地域や北アルプスの地形や地質について一から学び直しているところです。理解を深めるためと新たな成果を求めて現地調査も行っています。
私は現在長野市に住んでおり、中条村~小川村を通りすぎ、美麻集落から大町市街地へと抜けるルートで通勤しています。山間の狭く曲がりくねった道を通り、対向車に気を付けながらの運転は緊張の連続ですが、大峰丘陵(博物館が背にしている標高1,000m前後の山地。80万前以降の地殻変動によりできたと言われている)を下ると、一気に視界が開けます。日本列島誕生から今日に至るまで大規模な地殻変動を経てできた造形美ともいえる北アルプスの絶景を眺めると覚醒の感覚が沸き起こってきます。この感覚を味わうために、今日もこの博物館に足を運びたいと思える瞬間です。
ぜひとも大勢の方にこのすばらしい景色を眺めながら地形や地質の成り立ちについても知っていただきたいと願っております。何度でも訪れてみたい博物館と言われるよう展示内容の工夫や地域の方々との連携を深めながら活動していきたいと考えています。

ページ先頭へ