スタッフブログ付属園のツンデレトビ

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付属園には「マサムネ」というトビが長期飼育されています。「マサムネ」は衰弱していたところを保護され、その時点で左目が白く濁っていることが判明し、元気を取り戻してからも野生で自力で生きていくことは困難と判断されました。収容されてから一週間ほどで人間に管理されることに慣れたようで、人の手から餌を食べることもする個体です。私が見る限り飼育されている他のトビに比べると人に対する警戒心が薄いような気がします。飼育員が飼育舎に入り作業を始めると、どうやら水掃除・・・ホースが気に入らないようで『キーキキーッ、キーキキーッ』とけたたましい鳴き声をあげてにじり寄って来て、ホースを肢で掴んでくることもあります。
最初のうちは「今日も元気だね~」と鳴き声に相槌を打っているのですが、トビの甲高い鳴き声を間近で聞いていると耳が悪くなってしまいそうで、そそくさと飼育舎を後にして、となりの棟の飼育舎の作業に入ります。途中でフェンス越しに見える「マサムネ」の様子をチラリと伺うと、こちらの様子がよく見える止まり木に止まって黙ってこちらを見ているのです。その姿は、本当は構ってほしいけれど素直に仲良くできないツンデレ・・・少し哀愁を感じる姿なので噴き出してしまいます。人の手から餌を食べることも、そのときは与えられる物を全て食べるのですが、翌日には吐き戻していることもあるので「こんな肉、一飲みなんだぞ!!」という勢いで食べているのかと思っていたのですが、あながちそうではなく、構ってもらえることが少し嬉しくてついつい食べてしまうのかな・・・とも思うようになりました。「マサムネ」と同じ棟で飼育されていて、つい先日亡くなってしまったホンドタヌキの「キン」はとても警戒心が強く、小さな小屋の下からあまり出てきてくれませんでした。しかし「キン」は私が「マサムネ」に手から餌を与えている所を小屋の下から見ていたようだったので「マサムネ」に餌を与えながら『マサムネ、キンちゃんに恐くないから出て来てって言ってよ!』と「マサムネ」に無理なことを言ってみたりしました。動物と付き合っていると悲しい別れもあるのですが、それを癒してくれるのもまた動物。また「マサムネ」の哀愁漂う姿が笑わせてくれると思います。付属園は飼育数は少ないですが、その分個体それぞれの個性をたくさん見つけられることが魅力だと思います。

※「マサムネ」は飼育舎の都合上、お客様から見えにくい所で飼育されて
います。ご了承ください。

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