スタッフブログ猛暑なんて関係ない!?

  • uchida0731-1.jpg
  • uchida0731-2'.jpg
 毎日とても暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年の夏は厳しいもので、熱中症や夏バテが心配になります。付属園の動物たちも、自分で涼しいところを探したり、水浴びをして暑さをしのいだり、動物種によって異なる対策方法で乗り切ろうとしています。
 そんな中、夏バテとは無縁な様子なのが、アオクビアヒルの『セレブ』です(名前負けなんてことはありません。とっても優雅な泳ぎを見せてくれますよ!)。もともと大町市内でケガをしていたところを保護された個体で、カルガモの『リッチ』と同じ飼育舎で生活していました。リッチは気が強くておしゃべりだったので、リッチと比較すると、セレブは大人しく、落ち着きのある性格だと思っていました(ミミズを見つけたときの豹変ぶりは見事なものですが…)。そんな2羽は時にはケンカしながらもずっと一緒に生活してきたので、今年の3月にリッチが死亡してからしばらくは、とても寂しそうな様子でした。ようやく以前のセレブに戻ってきたのかなと思っていた頃、おもしろい変化がありました。まず、餌をよく食べるようになってほとんど残さなくなりました。そのうち、以前は飼育員とは一定の距離をとっていたはずなのに、餌の容器を置く前に待ち切れずに持っている状態から食べはじめるようになり、さらには、作業のために飼育舎に入るとドアの前で待ち構えていて、大きな声で鳴いて「早くちょうだい!」とアピールする姿がみられるまでになりました。まるで、リッチが乗り移ったみたいだねと、切ないような、懐かしいような話を他の飼育員としたこともあるほどに、リッチの姿と重なるものがありました。
 さて、この食欲はどこから来るのかと言いますと、換羽というものと関係しています。換羽とは羽が生え換わることで、アオクビアヒルの場合は、夏になるとオスの頭部の色が鮮やかな緑色から地味な茶色へと変化します。繁殖期には鮮やかな色がメスへのアピールポイントとなるのですが、繁殖期が終わってしまえばその必要もなくなりますし、なにより目立つことで天敵から狙われる危険性が高くなってしまいます。そこで、オスは繁殖期が終わると換羽によって体の色を変え、目立たないようにするのです。この換羽は“エクリプス”と呼ばれ、付属園ではアオクビアヒルのセレブだけでみられます。体の中で新しい羽を作るのはたくさんエネルギーを使うため、ごはんをいっぱい食べて摂取エネルギーを増やすのです。ということで上の写真を改めて見ていただくと、頭の色、特にくちばしの付け根あたりが茶色くなっているのがわかるかと思います。さらに、頭だけではなく全身の羽が生え換わるので、現在プールの水には抜け落ちた羽根がたくさん浮いています。ちなみに、今日(7/31)プールを新しく作りなおして水がきれいになったばかりだというのに、30分も経たずに水の上は羽根だらけでした。きっと新しい水で羽繕いをしたい衝動を抑えきれなかったに違いないと言い聞かせています。毎年のことなのでわかってはいるのですが、この時期の掃除はいつもよりちょっと大変なのです。
 ただ少し不思議なのが、毎年換羽は起こるのですが、今までセレブが扉の前で待ち構えていたり、餌台に置く前に食べ始めたりした記憶が無いのです。リッチの勢いに負けていただけなのかもしれませんが、もしかしたらリッチがどこかからセレブにアドバイスしているのかな、なんて思ってしまう今日この頃です。

内田木野実

投稿者内田木野実

ページ先頭へ