スタッフブログ引越しは一大事

  • Endo_5.JPG
  • Endo_6.JPG
 日本でもなじみ深いニホンキジ、昔話やことわざで一度は耳にしたことがあると思います。今回紹介するのは『息子』と名づけられた個体についてです。ちょうど去年の今頃に内田飼育員がブログに書いていました。『息子』のその後についてお知らせしたいと思います。実は、今まで展示していたニホンキジの『パパ』と、バックヤードで飼育していた『息子』を冬の間に入れ替えるという試みがありました。というのも、『パパ』は年の所為か雄の誇りともいえる目の回りの赤い肉腫の鮮やかさが失われてきました。さらに、元々人に対して臆病なところがあり、奥の砂場にじっと隠れて一日の大半を過ごすようになったため、もっと静かな場所で過ごせるようにという思いから入れ替えを決意しました。父と子の選手交代です。移動はどちらも無事に終えたのですが、環境の変化はやはりストレスを与えてしまいます。『息子』は『パパ』が使っていた砂場を受け継いだかのように、そこに身を潜めることが多くなり、また大人しい態度に逆戻りしてしまいました。しかし、飼育員が掃除に入ると、確かに身を潜めてはいるのですが、じっと屈んで小さくなってはいるのですが…鳴いています。これは、隠れているつもりなら台無しです。それも「ケーン」という繁殖機の雄特有の力強い鳴き方ではなく、さえずるような小さく短い声で鳴きつづけるのです。

一方『パパ』の方はすんなり飼育舎に慣れ、新しい砂場もお気に召した様子です。飼育員が掃除に入って近づくと、物陰から物陰へ身を隠して移動していく様がまるで忍者のようでした。けれどもそこはキジ、移動中が丸見えだということに目をつむっても、隠れた先で長い尾羽がはみ出しています。飼育個体なので野性個体と環境は違いますが、ことわざの「頭隠して尻隠さず」を地で行くのですから、昔の人は上手く言ったものだと感心してしまいます。

 最近は『息子』も新しい環境に慣れてきたのか、掃除のために砂場から出した後はあまり物陰に隠れなくなってきました。近いうちにまた、あの堂々とした姿が見られればいいなと思います。色鮮やかな体から長く伸びる尾羽、胸を張った堂々とした佇まい、光沢のある緑と青のグラデーションに映える、赤々と燃えるような肉腫は国鳥の名に恥じぬ美しさがあります。

遠藤モナミ

投稿者遠藤モナミ

ページ先頭へ