スタッフブログ伝わらない思い

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もう20歳を越えたホンドフクロウ。随分歳を取ってきましたが、大きくて愛らしい瞳は健在です。清掃のために飼育舎に入ると普段は天井の梁や枝にとまっていますが、時々妙にあわてて飛び回り、金網や壁のへりを脚で掴み損ねてコンクリートの床に降りてくることがあります。そんな時は本人も動揺して固まってしまい、すぐには飛び立たずじっとこちらを見上げてくるのですが、その姿がなんとも可愛らしいもので、ついカメラを構えたくなってしまいます。私が後ろに回り込んでも体の向きはそのままに、首だけをぐるりと回して見つめてくるものですから、うしろ姿は撮らせてくれません。
上に表示している写真は、見上げてくる姿と首を後ろに回している姿です。この写真を撮影した時は、嘴に餌として食べたヒヨコの羽毛が付いていました。なにしろ猛禽類と呼ばれる肉食の鳥類の一員ですから、肉をついばむ嘴、意外とワイルドで立派な脚には鋭い爪を備えています。
なかなかシャイなので、肉を食べている姿や砂浴びしている姿はあまり見せてくれません。砂場を覗くと隅の方の砂が沈んでいたりするので、砂浴びをしていたんだなと後から確認することが出来ます。止まり木にとまっている時に近づいてみると、緊張のあまり開口呼吸を始めるか、早々に飛び立ってしまいます。一時期は頭を触らせてくれる程度には慣れてきていたのですが、今年の春、目元の炎症などを治すために目に軟膏を塗る治療が続き、心の距離は大きく開いてしまったようです。
怖い思いをさせるだろうし嫌われるだろうなと思いつつ、治療のためと心を鬼にしていましたが、予想通りの結果になってしまって残念です。信頼を築くためには時間が必要ですが、崩れるのはあっけないものだと思い知るはめになりました。むしろ以前より悪化している気さえします。
せめて、飼育員の入室がストレスにならないくらいまで慣れてくれたらいいと思いながら、「おはよう、今日もかわいいね」と声を掛けたり、小さく手を振ってみたりとささやかなコミュニケーションを続ける日々です。

遠藤モナミ

投稿者遠藤モナミ

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