スタッフブログクールビズはおまかせで

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ニホンカモシカの『さつき』は人見知りな甘えん坊です。見慣れない職員や新人飼育員には近づこうともしませんが、慣れている飼育員に対しては姿を見かけただけでフェンス際まで近づいて来て、撫でてとアピールする姿を見ることがあります。ただし、気分屋な一面もあるため、名前を呼んでも知らん顔することもあります。
最近の『さつき』は、ふわふわで柔らかい冬毛が抜け落ちて、顔つきが変わって見えるほどすっきりした夏毛に変わりました。これを換毛といいますが、実のところ抜け落ちてなどというささやかな変化ではありません。柔らかい毛同士が絡まり、ポンポンと浮いてきては灰褐色の毛皮のあちこちから白い綿のように飛び出して……それはもう奇妙な生き物と化しています。野生下であれば、枝などに体をこすりつけたりして上手いこと抜けるのでしょうが、飼育下では怪我の恐れのある突起物は出来るだけ排除するよう気を付けているのに加え、飼育場に生えている木は大きく成長してしまい、カモシカが届く高さに手頃な枝はあまりありません。チョロっと生えた位では、カモシカ自身がおやつとばかりに食べてしまいます。
けれどもそこは、付属園一の甘えん坊カモシカ『さつき』、飼育員がバケツとブラシを手に飼育場へ入ればブラッシングに協力的で、首元や腰あたりにブラシをかけると気持ちよさそうにしています。ただし、いくら本人が協力してくれたところで、流石は真冬の寒さを乗り切る冬毛……あまりのボリュームにバケツ一杯ではちっとも足りません。一度に全て抜けるというわけでもないため何度も分けて行い、飼育員の努力の末に本人はあまり苦労せずにクールビズを済ませて涼しい顔をしています。
『さつき』からすれば飼育員が勝手にやってるだけかもしれませんが、どことなくちゃっかりしているといいますか、世渡り上手な子だと感じます。上手に甘えて嫌なことは嫌と怒って、しっかり意思表示をすることで飼育員と折り合いをつけている、そんな『さつき』の話でした。

現在飼育している他三頭のカモシカは、そもそも触られることを嫌がるため自然に抜けるのを見守ります。ブラッシングは『さつき』専用の特別対応です。
カモシカの換毛の仕方には個性を感じます。中でも『れんげ』は換毛が派手といいますか、一度に抜ける毛の量が多く、ピーク時にはぶら下げた冬毛をなびかせて歩き、短期間にごっそり抜けるという特徴があります。
左の写真は換毛中の『れんげ』、右の写真は現在の『さつき』です。

遠藤モナミ

投稿者遠藤モナミ

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