スタッフブログ問題児だけれども

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付属園で雪となると、野外で飼育しているニホンカモシカの本領発揮です。
30㎝を越える雪の中を、泳ぐように掻き進む、暴れん坊『ハクバ』について、少しだけ紹介させて頂こうと思います。

名前の由来は、保護された場所である、白馬村からきているそうです。
普段からやんちゃで、要注意カモシカの『ハクバ』ですが、まだまだ現役の彼は、飼育員にちょっかいを出そうと、フェンス越しに追いかけてくることがよくあります。フェンスや木に擦り付け、細く研ぎ澄まされた角で頭突かれては、たまったものではありません。それに『ハクバ』のパワーが合わされば、掠るだけでも十分な威力を発揮します。
フェンス越しの『ハクバ』に手を近づけるときは、タイミングを合わせて、上手く角の先を避ける必要があります。
『ハクバ』の飼育場に入るときは、他の飼育員に大好きな竹で引きつけてもらい、おやつを貰ったり、遊んでもらっている間に作業を済ませるか、隣の飼育場に移動させて扉を閉めることで、鉢合わせしないようにしています。
他のカモシカ相手では、ここまでの措置は取っていません。個体によって、大きなバケツを盾代わりに持って入るか、もしくは手ぶらでも問題ありません。但し、相手はカモシカです。今日は機嫌がよくないなと感じた時や、近づいて作業をする日などには、木の板で作った盾を持って入ることもあります。

このやんちゃっぷりは、『ハクバ』の欠点であり、魅力です。
人に向かって全力疾走してくるカモシカの姿は、滅多に見られるものではありません。発達した脚力で、急な斜面をものともせず、素早く上り下りする姿は迫力満点です。フェンス越しに併走すれば、負けるもんかという気迫で追ってくる姿が、まるで犬のようだなとも思います。
何だかんだ、飼育員を見かけると駆け寄ってくる姿、おやつの葉を食べる時の、気持ちいいくらいの食いっぷり、軍手に顔を擦り付けたり舐める仕草にほだされた結果の、贔屓目もあるかもしれませんが…

動物の怖さは、牙や爪、角だけではありませんその体躯以上に備わった力だけで、十分に生身の人間を圧倒します。人慣れして、攻撃性の薄まった動物であっても、いざ本気を出されれば、ひとたまりもありません。油断は禁物です。
普段は人から逃げるような、おっとりしたカモシカであっても、捕獲などの際に追い詰めたら、どれほどの力を出せるのか、『ハクバ』は普段から指導をしてくれています。他にも、頭突いてくる個体はいますが、その筆頭は彼で間違いないと思います。
新人飼育員が、カモシカの強さや素早さを実感するのに、『ハクバ』は良い教官かもしれません。

次の新人飼育員が入ってきたら、よろしくお願いします。教官!

遠藤モナミ

投稿者遠藤モナミ

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