スタッフブログ展示がはじまりました

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今年も山博友の会サークル「ボランティアの会」の皆様のご協力のもと、JR信濃大町駅隣の駅前ひろばにおきまして、サクラソウの栽培展示を5月25日(日)まで行います。
サクラソウは、日本では、北海道南部~九州南部の湿った草原や林床に生育する多年草です。花は異形花柱性の特徴を持ち、おしべを基準にめしべのほうが短い短花柱花とめしべのほうが長い長花柱花があり、その間で種子が健全につくられるとされています。
花蜜に通ずる部分は筒状になっています。観察してみると、蜜が吸えるのは、トラマルハナバチの女王のほかに、キアゲハなどのアゲハチョウ類やビロードツリアブ、クロスキバホウジャクといったいずれも、口吻(こうふん)の長い昆虫です。これらがどのように花粉の送受粉に関わるのか、実際に観察してみるとおもしろいかもしれませんが、残念なことに、長野県では絶滅危惧Ⅱ類(2014)に分類され、さらに長野県指定希少野生植物として条例により保護されるほど、自生地や個体群の減少が危ぶまれています。
自然豊かな大町市でも、サクラソウの自生地はわずかで、場所によっては風前の灯となっています。
博物館では、この展示を通して、大町市にも身近な自然である里地里山に、そのような環境がわずかに残されていることを知っていただき、興味・関心を持っていただく機会となればと思っています。

千葉悟志

投稿者千葉悟志

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