スタッフブログ大町とオオカミ

ヤマイヌのキバ.JPG

当館では「ヤマイヌのキバ」という名称の民俗資料を収蔵しています。
昭和57年に隣の池田町の方から寄贈いただいたもので、江戸末期から明治にかけて、旧八坂村(現大町市八坂)で採取されたものとみられ、「魔除け」として使用されていたようです。この資料はイヌ科動物の頭骨の鼻先部分とみられ、鋭い犬歯が左右に2本残っており、水晶と一緒に袋に入っていました。
ニホンオオカミは、明治38年の奈良県での捕獲を最後として、その後まもなく絶滅したとされています。
長野県内でも南信地方を中心に頭骨が残っていますが、大町市を含む北アルプス山麓の大北地域では、郷土史などで「オオカミ」や「ヤマイヌ」に関する話が記録されているものの、意外にもニホンオオカミに関する骨などの実物資料は見つかっていません。今後この地域におけるニホンオオカミの情報を集めつつ、鑑定を行っていく予定です。
自分たちの暮らす大町市周辺でも、かつてニホンオオカミが見られたのか・・・。博物館の収蔵資料にはロマンが詰まっています。

栗林勇太

投稿者栗林勇太

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