スタッフブログひそかな楽しみ 鳥の羽集め

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鳥類の換羽の時期、私はいつも楽しみにしていることがあります。それは、羽集めです。定期的に古い羽が抜け落ち、新しい羽が生えてくることを「換羽」といいます。羽の生え変わり方や時期は鳥の種類や年齢、性別によって異なりますが、ふつう年1回以上起こります。ニホンライチョウの換羽は特殊で、日本の四季に合わせて年三回換羽を行います。

付属園で飼育している鳥類の中で私が一番好きな羽は、キジバトの羽です。一見地味な色や模様をしたキジバトですが、羽の一枚一枚をよく見てみると、様々な色や模様が紛れており、とても美しいのです。キジバトの羽は去年から集め始めたため、まだたくさんはありませんが、これからどんどんコレクションを増やしていければいいなと思っています。

羽回収で問題となるのは、飼育舎のレイアウトやスペースの関係で、尾や翼の先が擦り切れてしまうことがあり、きれいな羽を入手するのが難しいということです。また、抜け落ちた羽は床に落ちてしまうため、糞で汚れてしまうことも多いです。少しでも多くきれいな羽を集めたいと思い、換羽の時期は各獣舎に「羽回収ボックス」を設置して、飼育員全員で羽集めを行っています。掃除の際にきれいな羽を回収できたときは、少しだけテンションが上がり、羽に見入ってしまうこともあります。今年も換羽の時期が早く来ないかと楽しみにしています。

しかし、鳥類にとっての換羽は、危険を伴うものでもあります。羽が抜け落ちてしまうため、一時的に飛べなくなることがあるからです。また、羽の再生のために体力を消耗するため、鳥の体にはかなりの負担とストレスがかかります。そのため、換羽の時期は普段よりも注意して飼育作業に取り組む必要があります。今年も換羽を無事に乗り越え、元気にすごせることを祈っています。

集めた羽はお客様への解説や、年に一度のふぞくえんまつり等に使用しています。羽コレクションをご覧になりたい方は、付属園にお越しの際、是非お声掛けください。コレクションを増やしてお待ちしております。

写真左:キジバトの羽(写真ではわかりづらいですが、羽の先が茶色や白色になっていたり、灰色から茶色へとややグラデーションがかかっていたりします)
写真右:その他の羽コレクション(左上:フクロウの風切り羽 右上:トビの半綿羽 下:チョウゲンボウの尾羽)

渡邊咲晴

投稿者渡邊咲晴

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