令和3年度 市立大町山岳博物館 企画展北アルプス誕生とそこに息づく高山植物のものがたり- 花、果実、種子、芽生え、ときどきふしぎ発見! -

開催期間 2021年7月17日(土) ~ 2021年11月28日(日)

北アルプス誕生とそこに息づく高山植物のものがたり

標高3000m級の山々が連なる北アルプスの誕生は、高山環境に大きな影響を与えるようになりました。氷期と間氷期の繰り返されるなかで北極を取り巻く高緯度地域に分布する植物が日本にも到達し、氷期が去ると北へと後退することを繰り返しました。その一部の植物は日本の高山帯に残され、各地域あるいは山域に隔離されたことで遺伝的変異が蓄積されるところとなり、固有率51%に及ぶ日本固有の高山植物が生み出されました。

本企画展では、平成30年度に開催した当館企画展「北アルプス誕生-激動の500万年史-」を再編して北アルプスの概要を説明したのち、そこに広がる高山植物群落が風衝地-雪田連続体のなかで成り立っていること知っていただいた上で、そこに息づく個々の種について、山岳博物館がこれまで研究してきた高山植物の花、果実、種子、芽生えを通して、魅力や気づきについて紹介いたします。

会期2021年7月17日(土) ~ 2021年11月28日(日)
開館時間午前9時 ~ 午後5時※ 入館は午後4時30分まで
休館日7・8月は無休9月6,13,21,27日、10月4,11,18,25日11月1,4,8,15,24日
会場市立大町山岳博物館 特別展示室
観覧料大人450円 高校生350円 小・中学生200 円※常設展示と共通、30 名様以上の団体は各 50 円割引
※そのほかの各種割引については窓口でお問い合わせください
主催市立大町山岳博物館
協力白山高山植物園、NPO法人白山高山植物研究会、大町山岳博物館友の会

展示構成

第1章 北アルプス誕生-激動の500万年史-
北アルプスは日本を代表する山岳ですが、山岳地帯の調査はきわめて困難であるため、北アルプスの生い立ちが実際の地質データにもとづいて解明されるようになったのは1990年頃からです。この30年間に貴重な研究成果が蓄積されてきましたが、その内容が広く紹介・解説される機会は多くはありませんでした。
本章は、平成30年度に開催した企画展「北アルプス誕生-激動の500万年史-」を再編したもので、北アルプスとその周辺の地質- 地形を解説し、これまでに明らかになった山脈の形成史をご紹介します。
第2章 日本の高山植物群落の成り立ち
中部山岳域は、長い地質時代の中で繰り返された地殻変動、火山活動、氷河の影響を受けて、複雑な地質と地形を有しています。母岩の違いは、酸性度、保水性、栄養塩類が異なる多様な土壌を形成し、そこに生育する高山植物の種類に強く影響します。そして高山植物の分布に最も強い影響を及ぼしているのが積雪分布です。日本は世界有数の豪雪地域で、高山には万年雪が見られる場所がいくつもあります。複雑な山岳地形は、積雪深の場所による著しい違いを作り出し、この不均一性が高山植物群落の多様性に強く関係しています。
本章では、第1部で高山植物群落は風衝地-雪田連続体によって育まれていること、第2部で中部山岳域に分布する高山植物の特徴についてご紹介します。
第3章 花、果実、種子、芽生え ときどきふしぎ発見!
高嶺の花、高山植物。その数は400種以上とも言われ、それらにより多様な高山植物群落が形成されています。しかし、芽生えや花の内部形態、またそれらの生活について知ろうとすると、詳しく図示した図鑑等は見当たらず、調べれば調べるほどにすべてがなぞめいているように感じます。
本章では、栽培や現地での観察で得た事柄をもとに【花】、【果実】、【種子】、【芽生え】の4つに【ときどきふしぎ発見!】を加え、50種あまりのとっておきの情報をご紹介いたします。

関連イベント

ミュージアムガイド

期間7月17日(土)・8月14日(土)
時間各日とも1回目・・・午前10時30分~、2回目・・・午後2時30分~※各回の所要時間は20分程度、午前・午後とも内容は同じ。
会場市立大町山岳博物館 特別展示室(企画展会場) ※事前申込み不要。当日直接ご参加ください。ただし、通常の観覧料が必要です。

さんぱくゼミナール

「高山のお花畑が教えてくれる生き物と生き物の繋がり」

期日9月18日(土)
時間午後1時30分~午後3時30分
会場市立大町山岳博物館 講堂
講師石井博さん(富山大学理学部教授)
定員先着30人
申込8月2日より申し込み開始。当日までに電話・FAX・Eメール、または直接、当館へ※定員になり次第締め切ります。

関連資料

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