平成27年度 市立大町山岳博物館 企画展山岳風景画の世界 -山博収蔵コレクション-
開催期間 2015 7.18(土)〜10.12(月・祝)
大下藤次郎 <六月の穂高岳> 1907(明治40)年 水彩・紙31.0×48.0cm 当館蔵
主催 | 市立大町山岳博物館 |
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会期 | 平成27年7月18日(土)~10月12日(月・祝)※ 会期中の休館日:9月7日(月)・14日(月)・24日(木)・28日(月) ・10月5日(月)<< 7月・8月は無休 >> |
開館時間 | 午前9時 ~ 午後5時※ 入館は午後4時30分まで |
会場 | 市立大町山岳博物館 特別展示室 |
観覧料 | 大人400円 高校生300円 小・中学生200円※ 常設展と共通 30名様以上の団体は各50円引き。 そのほかの各種割引については窓口でお問い合わせください。 |
はじめに
明治期の日本で受け入れられた水彩・油彩といった西洋画の技法。そうした画法で描かれた近代日本美術の風景画のなかでも、とくに山を主題として描いたものが山岳風景画(山岳画)です。このようにして山を主な画題として描く作家は「山岳画家」と称されています。
1936(昭和11)年、足立源一郎や茨木猪之吉といった画家たち総勢10名が創立会員となり、当時の国内登山界を主導していた小島烏水と藤木九三を顧問に迎え、「好んで山を描く画家の集団」として日本山岳画協会を立ち上げました。その創立に際し、創立会員のひとり中村清太郎が記した「日本山岳畫協會の創立に就て」という一文には、山岳画の特性や 可能性が端的に分かりやすく述べられています。そこでは「山岳画」というものを「風景画」の一種と見なしても、主題とする山には特別な存在感があると特徴づけ、それこそに日本人ならではの美意識によった作画活動があるとし、今後の 活動領域の広がりを探っています。さらに「山岳画」というものは山のみを描くのではなく、山にある動植物や山麓風景から山に関する神話や伝説などまで、有形無形にかかわらず全ての物事を対象に描かれるべきだと定義しています。
本展では、当館を含めた大町市が収蔵する美術資料のうち、日本山岳画協会の創立会員や初期の会員を中心に、明治期以降の作家が描いた北アルプスなどの山岳風景画作品16点を展示します。あわせて山岳画家が愛用した登山道具を展示します。
それぞれの山岳画家たちが各々の山に対する思いを作品に込めて表現した山岳風景画が持つ世界観を、ぜひ会場で感じていただければ幸いです。
展示構成・展示資料
本展では、当館を含めた大町市が収蔵する美術資料のうち、明治期から現代までの作家による主に北アルプスなどの山岳を描いた風景画をテーマに定め、山岳風景画の体系的な資料群(コレクション)を形成し、その一部で展示を構成します。
なお、ここでとりあげるのは、日本山岳画協会に所属経験のある物故作家の作品を中心にします。
当館・大町市収蔵の山岳風景画コレクション
1. 大下藤次郎 <六月の穂高岳>1907(明治40)年 水彩・紙 当館蔵
2. 吉田 博 <日本アルプス十二題の内 黒部川>1992(平成4)年〈初版1926(大正15)年〉木版多色・紙
大町市常盤公民館蔵
3. 茨木猪之吉 <穂高 涸沢 池の平>1943(昭和18)年 油彩・キャンバス 当館蔵
4. 中村清太郎 <立山残雪>制作年不詳 油彩・キャンバス 当館蔵
5. 中村清太郎 <ハイマツ>制作年不詳 油彩・キャンバス 当館蔵
6. 中村清太郎 <エーデルワイス>制作年不詳 油彩・板 当館蔵
7. 足立源一郎 <日暈 西鎌尾根にて>1947(昭和22)年 油彩・キャンバス 当館蔵
8. 足立源一郎 <北穂高と前穂高 槍東鎌尾根にて>制作年不詳 油彩・キャンバス 当館蔵
9. 足立源一郎 <劔嶽 鶴ヶ御前にて>1959(昭和34)年 油彩・キャンバス 当館蔵
10. 山川勇一郎 <穂高山塊>制作年不詳 油彩・キャンバス 当館蔵
11. 山川勇一郎 <田代池>制作年不詳 油彩・板 当館蔵
12. 山川勇一郎 <大正池の奥穂>制作年不詳 油彩・キャンバス 当館蔵
13. 畦地梅太郎 <鳥のすむ森>1975(昭和50)年 木版多色・紙 当館蔵
14. 足立真一郎 <夏の栂池高原>1986(昭和61)年 油彩・キャンバス 当館蔵
15. 藤江幾太郎 <ヒマラヤの山村>1987(昭和62)年 油彩・キャンバス 当館蔵
16. 牧 潤一 <暁のマッターホルン>1994(平成6)年 油彩・キャンバス 当館蔵
関連催しご案内
ミュージアムガイド
展示資料をご覧いただきながら、学芸員が企画展の見どころを説明します。 ※事前申込み不要。当日直接ご参加ください。ただし、通常観覧料が必要です。
期日 | 7月26日(日)、8月15日(土)、9月20日(日)、10月11日(日) |
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時間 | 各日とも 1回目・・・午前10時~ 2回目・・・午後2時~※各回の所要時間は20分程度、午前・午後とも内容は同じ。 |
会場 | 市立大町山岳博物館 特別展示室(企画展会場) |
関連特別展
山岳画家・山川勇一郎デッサン展
〈信濃大町山岳フェスティバル2015関連事業〉
市立大町山岳博物館が収蔵する山岳風景画コレクションの中から、山岳画家・山川勇一郎が描いたデッサン(素描)作品を展示します。
会期 | 8月1日(土)~8月16日(日) |
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開場時間 | 午前9時~午後5時 |
会場 | JR信濃大町駅前 特設会場 |
入場料 | 無料 |
主催 | 信濃大町山岳フェスティバル実行委員会 |
共催 | 市立大町山岳博物館 |