市立大町山岳博物館 / 大町登山案内人組合創立100周年記念事業実行委員会 共同企画展北アルプスの百年 百瀬慎太郎と登山案内人たち
開催期間 2017年8月5日(土)〜11月26日(日)
会期 | 2017(平成29)年8月5日(土)〜11月26日(日)※ 会期中の月曜日、祝日の翌日は休館。ただし、月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館。なお、8月は無休 |
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開館時間 | 午前9時〜午後5時 (入場は午後4時30分まで) |
会場 | 市立大町山岳博物館 特別展示室 |
観覧料 | 大人400円 高校生300円 小・中学生200円 ※ 常設展示と共通、30名様以上の団体は各50円割引そのほかの各種割引については窓口でお問い合わせください |
共催 | 市立大町山岳博物館 大町登山案内人組合創立100周年記念事業実行委員会 |
はじめに
大町登山案内人組合は大正6(1917)年、百瀬慎太郎が主唱して大町で設立されました(設立当時は大町登山案内者組合)。これは当時、増加する登山 者の要望に応えるとともに地元登山案内人の資質向上を目指してのことで、こうした動きは全国に先駆けてのことでした。本展では、同組合ゆかりの写真や品々を展示。今年創立100周年を迎える同組合の足跡とその存在を全国に発信するとともに、大町市周辺山域の山の魅力をご紹介します。
今から約1世紀前、大正初期になると、北アルプス部分の正確な地図が発行されたり、山麓地域まで鉄道が延伸したり、さらに次々と山小屋が建設されたことなどで、夏山の登山者が急速に増加しました。北アルプスへの登山口である信州・大町にも多く登山者が訪れました。時代は、いわゆる大正登山ブームを迎えます。しかし、当時の登山はまだまだ危険をともなう野営による道筋を探しながらの探検的な登山が主でした。そのため、実際に登山を行うには、山の地理に精通し、山中での暮らしに熟練した案内人の存在が不可欠でした。こうした時代の要請を敏感にとらえたのが、大町にかつてあった旅館・對山館 の百瀬慎太郎(1892 ~ 1949年)でした。慎太郎が主唱し、大正6(1917)年6月、大町登山案内者組合(現大町登山案内人組合)が大町で設立されました。これは当時、増加していた登山者の要望に応えるとともに地元登山案内人の資質向上を目指してのことでした。
設立時の加入者は22人で、事務所は對山館内に置かれました。慎太郎は組合の約束ごとをまとめた18の「規約」と、登山案内人として注意することを記した13の「心得」を考案しました。大町登山案内者組合は、日本の近代登山における案内人という登山ガイドの同職集団としては最初に団体組織されたもので、その設立は画期的でした。こうした組合による組織的な活動は、当時、登山者にとって登山がより快適になるとともに、安全面でも大きな役割を果たすようになりました。その後、戦中・戦後の過渡期を経て、平成6(1994)年に規約を改正して再出発が切られた際、会の名称は「大町登山案内人組合」に定められました。現在、同組合の事務局はJR信濃大町駅駅舎にある大町市観光協会内に置かれ、登山案内人約40人が活動しています。同組合所属メンバーはガイド以外にも、登山道を直したりする登山環境の整備や、登山口や駅前での登山相談など遭難防止といった面、さらには救助隊員として、地域社会の発展につながる活動を行っています。
グリーンシーズンから紅葉シーズンにかけての信州への観光の折に、あるいは夏山・秋山シーズンの北アルプス登山の行き帰りの際に、ぜひ当館へお立ち寄りいただき、本展をご高覧いただければ幸いです。きっと、後立山連峰の麓、"岳(たけ)" のまち・大町市ならではの「山岳文化」の一端にふれていただけることと思います。
展示構成
- 第1章 日本近代登山の幕開け
- 第2章 大町登山案内人組合の誕生
- 第3章 岳都おおまち
主な展示資料
※下記は全て市立大町山岳博物館蔵
- 1. 百瀬慎太郎が意匠考案したと思われる手ぬぐい
- 2. 大沢小屋前に設置された百瀬慎太郎レリーフの複製(石膏着色)
- 3. 案内人料金表
- 4. 案内人・西澤彰使用 カナカンジキ(三本爪)
- 5. 案内人・櫻井一雄使用 てぶ皮(カモシカ毛皮製)
- 6. 案内人・平林高吉使用 大町登山案内人組合の印半纏 ほか
登山者(左端)を送り出す百瀬慎太郎(左から2人目)と荷を担ぐ登山案内人たち
〔昭和初期 對山館前にて〕【個人蔵】
学生登山者と登山案内人たちの出発〔大正7年頃 對山館前にて〕
(後列右から5人目は百瀬慎太郎)【個人蔵】
登山案内人たち 大正期頃(左から2人目は登山案内人・黒岩直吉)【個人蔵】
針ノ木岳
企画展関連の催しご案内
オープニングセレモニー
日時 | 8月5日(土) 午前9時〜午前9時45分 |
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会場 | 市立大町山岳博物館 玄関 ほか(雨天時:講堂・ホールほか) |
ミュージアムトーク
大町登山案内人組合所属の登山ガイドが組合のあゆみや現在の活動、大町市周辺の山岳の様子に ついて解説します。※ 事前申込み不要。当日直接ご参加ください。ただし、通常観覧料が必要です。
期日 | 8月5日(土) 9月17日(日) 10月7日(土) 11月3日(金・祝) |
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時間 | 各日とも 1回目・・・午前10時〜 2回目・・・午後2時〜 |
会場 | 市立大町山岳博物館 特別展示室(企画展会場) |
その他各種催しのご案内
その他、大町登山案内人組合創立100周年記念事業関連の催しとして、下記がございます。 詳しくは「北アルプスの百年 百瀬慎太郎と登山案内人たち」のボタンより、PDF資料をご覧ください。
- ・信濃大町 山フェス 北アルプス100年祭
- ・長野県山岳総合センター 野外活動講座「もっと知りたい、大町の山!」(全2回シリーズ)
- ・100周年記念プレミアムツアー